ささやかに。地味に。毎日。

完全に個人の備忘録です。

5月の読書記録(1)

1.「イノセント・デイズ」早見和真

 とある女性死刑囚、田中幸乃の、死刑執行の朝から始まる物語。読んでいくうちに、この女性に下された死刑判決での判決文が、真実とはずいぶんかけ離れているということがわかっていく。例えば幸乃の母は17歳で子供を産んだけど、本当に母性や覚悟が不足していたのか、とか。何となくその年齢で子供を産んでたりすると、「まぁこんな感じかな」と色眼鏡で見てそまいそうだけど、確かに世の中の事例で100%色眼鏡どおりか、というと、そんなことはないはず。何を根拠にそんな判決が下ったのかな、何も真実を調べきれていないよね…と疑問がわいてくる。

 幸乃の周りを取り巻く人々も、彼女を助けたいとすごく思っているんだろうけど、今一つ行動力なかったり、思い違いしていたり、読んでいてなんだかもどかしい。

 生まれてすみません、なんて思うことのない人生を送りたい。

 

2.「どこかでベートーベン」中山七里

 中山七里さんってずっと女性なのかと思っていた。

 さて、岬洋介シリーズを読んだのは2作目の私。さよならドビュッシーでもそうだったが、主人公に近い、本当に近い人物が知らないうちにカギを握ったりしてるので、「ええっ。そう来る?」と驚いてしまう。

 この話のテーマはもう一つあって、天才はつらいし、天賦の才能はないけどアーティストは目指したい人ってのもつらいなぁ、というところ。舞台となる学校は、アーティストを目指すのもちょっと無理かもしれない、ただ音楽が好きで音楽科に入っている、というレベルの子たちもいる、ぬるい、緩い学校ということなので、その中に岬洋介の存在は、お互いに厳しいかもしれない。