ささやかに。地味に。毎日。

完全に個人の備忘録です。

蜜蜂と遠雷(恩田陸)

 まだ読み終えたわけではないです。今年度の本屋大賞直木賞W受賞の傑作。上下2段組で506ページもある本なんて、私のこれまでの人生の中で読んだことあったかなぁ。ものすごいボリューム。だけど、読み始めると次に次に…と頁を繰りたくなり、止まらない。肩にずっしりと重量をかけながら、会社の通勤用バッグの中に入れて持ち歩き、電車の中で読んでいます。読まずにいられない。

 正直、登場人物のコンテスタント(この表現、初めて学びました。コンテストへの参加者ってことなのね)たちが選ぶピアノ曲、1つも知らないです。コンテストの曲じゃないけど、途中で出てきた「月の光」くらいじゃないかなぁ。それでも読んでいて退屈しない、退屈どころか夢中になって予選の描写を読んでしまうのは、ピアノに載せて聴き手(=読み手)の心に映し出される風景が鮮明に生き生きと、丹念に描かれているから。19世紀の貴族の争いと悲劇であったり、アフリカの風景だったり、草原だったり、イスラム圏の風景だったり。曲なんか知らなくても、何かを感じ、そこに音を感じる。

 そして、ピアノの天才たちが出会うことによる相乗効果によってさらに高め合う部分もすごいし、働きながら音楽の道を捨てずにコンテストに参加し、血のにじむような苦労をして自分なりのピアノを得る描写も心に残る。高島明石の努力が報われた瞬間が一番、うれしかったかな。

 さて、これから本選だ。